小説

雪白学園妖怪退治屋
1/26ページ目

●探偵部

今日から高等部に入学だ。

オレは緊張をこらえながら高等部の校舎に入った。

すると誰かが肩をたたいた。

オレはビックリして後ろを振り返った。

しかし誰もいない。

誰かの悪戯か・・・

「おー!章じゃないか!高校生おめでとう」

前から声が聞こえてきてオレは前を見た。

1つ上の先輩の金城鷹がオレに手を振った。

「先輩!ありがとうございます」

オレは頭を下げた。

さっき肩をたたいたのは先輩だったのか。

オレは少し安心した。

最近後ろから肩をたたかれる。

でも振り向くといつも誰もいない。

「お前もついに高校生・・・大きくなるなぁ畜生ぉ」

鷹は笑った。

ここは超マンモス学校『雪白学園』だ。

幼稚舎から大学院まであり通っている生徒・教師関係を含めて約1万5千人の数。

こんなでっかい学園にオレ、
立花章はいる。

「そうだ、章は部活入るだろ?」
「部活ですか?」
「ほら、あそこの集まりは勧誘している部員達だ」

鷹が指差した所にはものずごい集まりが出来ていて手作りの看板などを手にしていた。

「部活かぁ〜・・・そんなに興味ないですね」
「えぇ!?あんなに楽しいのに・・・」
「楽しい?先輩は何処に入ってるんですか?」
「『探偵部』」
「『探偵部』!?」

オレは大声を出してしまった。

「探偵部って中等部にはありませんでしたよね・・・;」
「ほら、部活決めって中等部と高等部で別々だろ?中等部がサッカー部を作りたくないって言っても高等部ではサッカーやりたい奴がいたらサッカー部を高等部だけで作れるだろ?」
「はぁ・・・」
「中等部に探偵部を作りたいとかいう奴は高等部にしかいなかったんだよ」
「それが先輩ですか・・・?」

鷹は笑った。

「オレじゃないぜ」
「他にいるんですか?何と物好きな・・・」
「失礼な」

鷹はオレの髪の毛をぐしゃぐしゃにした。

「1年の頃に無理矢理入れられて・・・それが結構楽しいんだよなぁ。そんでまだいる」

探偵部・・・

特に何もしなさそうな部活だな・・・;

「どんなことやってるんですか?」
「そりゃぁ、探偵だよ」
「探偵・・・?」

『探偵』と聞くと殺人事件など大きなことに関わっているのか。

「迷子の猫を探したり、困っている人の手伝いだよ」

体の力が抜けた。

高望みしたオレがおかしかったのか。

そうだよなぁ高校生で漫画みたく事件解決なんておかしいんだよ。

しかもここの学園は寮生活で外にあまり出れないし。

「どうだ?お前も入るか?」

鷹は目を輝かせた。

その目が迫ってくる。

「いや・・・いいです;やっぱり部活なんて興味ないんで;」

オレは鷹の顔の前に手の平を出した。

「まぁまぁいいじゃない!」

鷹に手首をつかまれて集団の中に投げ込まれた。

オレはしりもちをついた。

ヒリヒリしているお尻をさすった。

「痛たた・・・」
「あなたが立花章君?」

女の声がしてオレは振り返った。

女は長くて細い髪の毛を風に揺らしていた。

大きな瞳は潤っている。

高等部のネクタイをしているということは同じ高校生。

この学園は年が上がるごとに色のついたネクタイが1人1人に配られる。

女のネクタイの色は緑。
2年か。

何か不思議な感じが彼女からした。

「えっと・・・」

女はオレの手を握った。

「やっぱりそうだわ」
「え・・・『そう』?」

彼女の後ろから2人の男が出てきた。

「鷹が言っていた通りか」

1人の男が言う。

眼鏡をかけていて賢そうな顔だ。

「えぇ」
「鷹ちー凄いじゃん」

茶髪の男が楽しそうに笑う。

「何ですか」

オレは3人で話しているのを聞いて手をふりほどいた。

「あなた金城君から何も聞いてないの?」

女は無表情で言った。

「鷹先輩から?何も聞いてませんけど・・・」
「ひゃっほー」

鷹がフラフラと歩いてきた。

「困った、困った。人の波で進めなかったんだぜー」

鷹はへらへら笑った。

「先輩!ちょっとどういうことですか!この人達誰ですか!」
「こいつ等は探偵部の部員だ」

鷹は女を指差した。

「こいつは部長の高柳愛美。この中で1番すぐれてる」
「あ・・・あいみ?」

変わった名前だなと思った。

次に眼鏡の男を指差した。

「こっちが穴田秀希。頭は1番良いかな」
「しゅ、しゅうき?」

これもまた変わった名前。

「次オレ!」

茶髪の男がオレの前に出た。

「オレは宮本武。お前と同じ1年だぞ!よろしくなぁ!」
「たける・・・君?」

今度は普通な名前だ。

武はオレの手を強くつかんで握手をした。

「鷹先輩、話が見えないんですけど・・・」

オレはさりげなく鷹に助けを求めた。

「章は今日から探偵部に入るんだ」
「・・・・・・・・・は!?」

あまりにもサラリと言うものだから反応が遅れた。

「ちょっ・・・何でオレが!?オレ部活に入らないってば!」
「いいから、いいから。まず部室に行こうぜぇ」

武がオレの背中をグイグイ押した。

そのままオレは抵抗も出来ぬまま部室に連れていかれた。

部室はものすごく古くてドアは蹴らなければ開かない。

窓は1つしかなく、
空気がとてつもなく悪い。

「みんな座って下さい」

愛美がイスに座る。

それに続いてみんなが着席した。

「今回は新しい部員が2人入りました。これはよろこばしいことです」

オレは隣に座っている武に小声で話しかけた。

「何で君はこの部に入ったの?」
「んあ?そりゃー勧誘されたから」
「え!?」
「そこ喋らない」

チョークが飛んできてオレの額に直撃。

オレはおでこを押さえて投げた犯人の鷹をふてくされながらにらみつけた。

鷹はそれを見てふきだした。

「ここからが本題です。2人共、聞いて下さいね」

愛美がホワイトボードに黒ペンで何か書き始めた。

『妖怪』

妖怪・・・?
[指定ページを開く]

次n→ 

<<重要なお知らせ>>

@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
@peps!・Chip!!は、2024年5月末をもってサービスを終了させていただきます。
詳しくは
@peps!サービス終了のお知らせ
Chip!!サービス終了のお知らせ
をご確認ください。




w友達に教えるw
[ホムペ作成][新着記事]
[編集]

無料ホームページ作成は@peps!
無料ホムペ素材も超充実ァ